【大事】その尿管結石は本当に石ですか?!

こんにちは!

Q二郎です。

突然ですが問題です!

「70歳 男性 右腰部痛・血尿」

この時点でのCALL ASSESSMENTはいかがでしょうか?

救急現場に到着するまでに考えること
救急現場に向かうまでに頭の中で行うべき作業があります。非常に重要にもかかわらずトレーニングを受ける機会はほぼありません。その内容とは。

では早速本日の症例に行きます。

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今回の架空症例

救急出動!救急出動!

70歳の男性が右腰部の痛みと血尿!

出動した救急救命士はCALL ASSESSMENTによって尿管結石を考えた。

「尿管結石かぁ。泌尿器科がある救急病院に搬送だな」

そんなことを考えながら患者さんの自宅に到着した。

患者さんはソファーに横になっていた。

見るからに痛そうな表情で右手を腰に当てている。

初期観察の結果、少し汗をかいていることが気になったが橈骨動脈はしっかり触れ、右腰部に叩打痛もある。血圧は180mmHgと高いが痛みによって血圧が上がったのだろうと思いながら泌尿器科がある救急病院に搬送した。

帰りの救急車の中で新人隊員に

「いいかぁ、叩打痛があって血尿と聞いたら尿管結石が濃厚だから覚えておけよ」

自慢気にレクチャーをしながら帰り着いた時のこと。

救急出動!救急出動!

先ほど搬送した方、腹部大動脈瘤切迫破裂のため救命センターまで転院搬送。

一気に顔面蒼白となる救急救命士であった・・・

なぜ病態を学ぶのか

予め言っておきますが救急救命士は診断することが仕事ではありません。

的確な処置を行いながら症状や病態に応じた適切な医療機関へ搬送することが主たる業務です。

そう。適切な医療機関への搬送です。

だからこそ、病態を学ぶ必要があります。

全ての患者さんが標準テキスト通りの症状や主訴があるわけではありませんよね。


腹部大動脈瘤は常に考える

Q二郎も尿管結石の経験があります。

もうね超〜痛いです。

ホント、すっご〜く痛いんですアレ。

でもこの世の終わりを感じることはありませんでした。

一方、尿管結石かなと思っても、この病態を見逃すとトンデモナイ事になります。

腹部大動脈瘤

なんと腹部大動脈瘤の誤診例のNO.1は尿管結石なのだ。

引用:ステップビヨンドレジデント3
著者:林寛之

らしいです。怖いです。

しかもですよ、しかも。

側腹部痛で受診し尿管結石以外の診断がされた患者の50%以上に血尿が認められており、血尿の存在のみで尿管結石と早合点してはいけない。

引用:ステップビヨンドレジデント3
著者:林寛之

直感で判断してしまうと非常に恐ろしいです。

正しい知識を備えておくことが認知エラーを回避するポイントです。

認知エラーについてはこちら

本当に過換気症候群でいいですか?
また過換気症候群!? そう決めつけてしまうと怖い目に遭うかもしれません! 今回は過換気症候群をもう一度学びましょう!

じゃあどうすればいいのよ?

そう思いますよね、分かります。

超音波検査が出来ない救急現場においてはフィジカルアセスメントとバイタルサインの判読しかありません。

腹部触診をすることで拍動性腫瘤を触れることができるかもしれません。

でも、これだって感度は低く、腫瘤が触れたからと言って必ずしもAAAかどうかは判断できません。逆に、腫瘤が触れないからAAAではないと判断もできないのです。

参考:急性腹症診療ガイドライン2015

やっぱりバイタルサインをしっかりと判断すること。

これが本当に大事ですよ、ホント。

今回の症例でも収縮期血圧は180mmHgです。

これを痛みのためだろうと安易に考えると今回のような状況になるかもしれません。

最後に

今回のような症例で一番頻度が高い疾患は尿管結石でしょう。

しかし今回のような症例で一番怖い疾患は腹部大動脈瘤です。

もちろん他には大動脈解離も考える必要があります。

救急救命士にとって重要なことは診断することではなく、的確に病態を把握し適切な医療機関へ搬送すること。

そのためには常に怖い疾患から考えてアセスメントすることが重要です。

最後にもう一度。

「70歳 男性 右腰部痛・血尿」

CALL ASSESSMENTはどうでしょう?

今なら浮かびますよね。

ではこのへんで!

Q二郎

Paramedicをこよなく愛するQ二郎 テキストだけでは習得し難いノウハウ伝授が趣味 live in Japan

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