高齢者の転倒は要注意です!

例えば、「高齢の女性が転倒し大腿部を負傷している」

このような出動は全国的に非常に多く病院選定が困難な地域もあると思います。

その多くは加齢に伴う転倒が多く整形外科単科医療機関に搬送しても対応可能でしょう。

しかし、ここはやっぱり救急救命士。

その転倒の裏まで見抜けますか?

スポンサーリンク

本日の架空症例

80歳女性 転倒し大腿部を負傷したとの通報で出動した。
救急現場は一軒家のようだ。
ここ最近は高齢者の転倒による外傷が急増している。そのためか、近隣の整形外科病院もベッドが空いておらず搬送先に苦慮している。
現場に到着すると、玄関先で右大腿部の付け根を押さえ痛そうな表情の患者さんがいた。
AB評価には特に異常はなく、橈骨動脈は触れるが少し冷たい気もした。
しかし、12月の夕方ということもあり寒いからだろうと判断した。
頭部に外傷がないのを確認し、隣町の整形外科に搬送することを決めた。
このような救急要請は全国的に日常茶飯事ですよね。
でも、このような症例。
何か気になりませんか?

転倒の裏側に内因性疾患!

救急現場はいつも例外と隣り合わせです。

今回の症例。結論から先に言うと実は・・・

消化管出血が先に起こっていました。

主訴「倒れて○○が痛い!」にも消化管出血あり

出典:研修医当直御法度第6版
著者:寺沢秀一、島田耕文、林寛之

エピソードとしてはこんな感じです。

今回の患者さんは少量の消化管出血がゆっくりと続いていました。

そして急に立ち上がったことによって脳血流が減少し転倒してしまった症例です。

このような患者さんを整形外科単科の医療機関へ搬送すると・・・

高齢者の転倒では、消化管出血以外にも、めまい意識消失を来す疾患をしっかりとアセスメントする必要があります。

どのような問診を行いますか?

あなたが寝ている時、恋人以外の名前を言ったとします。

当然、朝起きるとそこは修羅場です。

「あの名前の人は誰!?なんで言ったの?!」

その時、あなたは的確に理由が言えますか?

すみません(笑)

少し話が逸れてしまいました。

いえ、実は大きく逸れてはいません。

意識を失った可能性がある患者さんに対してこのような問診をしていませんか?

このような問診をしている人、きっと少なくないはずです。

でもよく考えてみてください。

意識を失った人って、そもそも失ったこと自体を覚えていない人も多いですよね。

このような問診に対して否定したとしても安心はできません。

目撃者がいるのであれば、その人に状況を聞くことが一番ベストです。

しかし、その目撃者がいない場合は本人から聞くしかありません。

そのような時はこんな問診をしてみましょう。

これです。

「なぜ転んだのですか?」という質問に対し

「スリッパを履こうとしたら段差につまずいた」

転倒前のことをスラスラとお話してくれる方は記憶があるということですよね。

つまり、なぜ転んでしまったのか原因や経過をしっかりと聞くことが重要です。

ここでしっかりと転倒の原因が分かれば整形外科単科でいいかもしれませんが、そうでない場合は、意識消失の可能性を疑って病院選定を行うべきです。


Take Home Message

どうせいつものアレ。

思い込みは時に危険を伴います。

高齢者の転倒では内因性疾患の可能性あり
意識失いましたか?はNGワード
転んだ理由を確認すること!

Q二郎

Paramedicをこよなく愛するQ二郎 テキストだけでは習得し難いノウハウ伝授が趣味 live in Japan