その意識障害は頭ですか?

救急救命士が救急現場で意識障害を診る機会は多いと思います。

意識障害=脳卒中だ!と考える人は少なからずいますよね。

救急救命士が救急現場で意識障害の原因まで判断する必要性は賛否両論ですが、やはり救急救命士は現場のプロです。

ということで今回はバイタルサインから判断する意識障害の考え方をアップします!

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架空症例

60歳男性 意識障害

救急隊到着時、意識レベルJCS100、顔面蒼白、冷汗あり

呼吸数は28回、脈拍数は110回で橈骨動脈の触知微弱

右共同偏視と左上下肢に麻痺が認められた。

家族から聞いた話では、20分前まではいつもと変わらない様子だったとのこと。

救急救命士は発症から間もない脳卒中と判断し搬送を開始した。

ちなみに血糖値は90mg/dl

よくありがちな症例ですよね。

この救急救命士の判断。皆さんならどう考えますか?

意識障害の鑑別疾患

意識障害の原因って多すぎて覚えるのは大変ですよね。

テキストによっても覚え方は様々です。

英語で覚えるのもよし!日本語の語呂合わせもよし!

個人的には古いタイプなので英語で覚えていますが。。

AIUEOTIPSは有名ですよね。

詳細は成書をご参照ください。

意識障害もABC

はい、救急では例外なくABC評価とソレに対する処置が重要です。

気道閉塞があれば気道確保が必要ですよね。

呼吸不全であれば補助換気が必要。

これはどんな場合でも変わらず重要です。

意識障害を診たら、「脳卒中だ!」と短絡的に考えてはいけません。

まずはショックなのか否か。

そして低血糖を否定するための血糖測定。

まずはこの2つを優先して判断しなければいけません。

低血糖であれば医師の指示によって救急救命士による処置が可能です。

ショックと脳卒中では考え方や処置が全く異なります。

まずはこの順番を覚えておいてください。

脳だけでショックにはならないよ!

この公式を理解しておけば現場で悩むことはありません!

脳灌流圧=平均血圧ー頭蓋内圧
つまり、単純に脳が原因であれば、血圧は上がるはずです。
今回の架空症例のように神経学的所見が認められてもショックに対応することが優先です!
今回の架空症例は、ショックによって脳血流が低下したことで神経学的所見が認められました。
これを知っているのと知らないのとでは、病院選定に影響が出るかもしれませんので非常に重要です。



収縮期血圧で判断する

実は、収縮期血圧の値によって、頭が原因なのか頭以外が原因なのかを大まかに判断することができます。

尤度とは少し難しい話ですが、簡単に言うと「なりやすさ、起こりやすさ」です。

これは陽性尤度比ですので、この数値が高いほど脳疾患が原因である確率が上がるという意味になります。

これを見ると、血圧が低ければ低いほど、脳が原因である確率はかなり低いですよね。

つまり、神経学的所見が認められてもショックの所見があれば、ショックに対する観察と処置、病院選定が必要になります!

ショックシリーズは過去のブログ記事を参照してくださいねっ!

救急救命士必見!ショックへの対応編1
処置拡大によってショックにおける救急救命士の存在はさらに重要になってきました。検査がほとんどできない救急現場においてショックの原因を見極め活動するために必要な知識を共有すべくシリーズでお届けします!

Take Home Message

・バイタルサインを大事にしよう!
・意識障害は全てが脳疾患ではない!
・知っていることこそ武器になる!

Q二郎

Paramedicをこよなく愛するQ二郎 テキストだけでは習得し難いノウハウ伝授が趣味 live in Japan