救急救命士のためのスライド作成と発表のコツ

どうもQ二郎です。

先日、名古屋で日本臨床救急医学会が開催されましたが皆様は参加されたでしょうか?

プログラムを拝見していましたが、全体的に救急救命士さんの発表が少なく少し寂しい気持ちになりました。

救急医療とともに医療機器の進歩も急速であり、救急救命士もその進歩に十分対応する必要がある。そのためには定期的な講習会への参加、実習や研修への参加、学会発表などで資質の維持・向上に努めなければならない。専門職として生涯教育の必要性が強調される理由がここにある。

引用:第9版救急救命士標準テキスト上巻

救急救命士さんが参加可能な学会としては、日本救急医学会、日本臨床救急医学会、全国救急隊員シンポジウムなどがありますので、最低でも1つは参加してほしいと思います。

しかし、発表となるとスライドの作成や口演準備などの準備が大変ですよね。

そしてこれらを苦手とする救急救命士さんって結構多いのではないでしょうか。

今回は、スライドの作成や群衆を惹きつけるプレゼンについて考えてみたいと思います!

※スライドの操作方法や詳細な作成方法ではありません。

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学会で発表するテーマを決める

近年、どの分野でも同じようなことが言えるのですが、研修や教育方法の紹介、色々なコース紹介についての発表が多い印象です。

流行りなのかどうかは分かりませんが、医療の学術集会ですので、やはり実際の症例や統計データを基にしたディスカッションを行い知識を共有することこそが、学会に参加する醍醐味ではないかと思います。

ところで、救急救命士の皆様が演題応募に際し抵抗を感じる理由の1つに、「どんなテーマで演題を考えればいいか分からない」と言われる方がいらっしゃいます。

実は、考えれば考えるほどテーマは転がっています。

まさに「宝の山」の状態。

学会と聞くと、「医師が発表し研究データを共有する」イメージが根強いかもしれませんが、救急救命士が赴く救急現場は医師が診療するフィールドとは全く異なります。

例えば脳卒中を考えてみましょう。

医師の学術集会では

「こんな治療方法が効果的だった」

「この薬がこの症状には有用だった」

このように治療に関するデータ発表が多いと思います。

では、救急救命士による脳卒中をテーマにした発表はどうでしょうか。

例えば

「救急現場における脳卒中症例で多い主訴と重症度」

「主訴別に見た虚血と出血の統計」

「救急隊到着時のバイタルサインと重症度」

「発症から要請までの時間と予後調査」

どうでしょうか?脳卒中1つにしても考えれば考えるほどテーマは山のようにあります。

そしてこのようなデータは病院ではなく救急救命士の皆様が持つデータの方が母数も多いため、より正確な統計を出すことができます。

このように救急救命士の皆様が持つデータを集積することで1つの大きな分野が確立されていきます。

スライド作成の基本的なコツ

まずこちらのスライドをご覧ください。

見にくいですよね。

おそらく皆さんは、この画面をパソコンかスマホでご覧になっているので、そこまで見にくいと強く思わないかもしれません。

ですが学会会場をイメージしてください。

後部座席に座っている人は、この文字はまず見えません。

見えなければどうなるのか。

もう発表者の話すら聞かずに抄録をペラペラとめくり始めます。

それではこのスライドはどうでしょうか?

内容は上のスライドと同じですが、かなりスッキリしています。

スライドを作る上で最も大事なことは

シンプルに!

です。

口で喋る内容をそのままスライドに記しても意味がありませんし、見ている方としては嫌になっちゃいます。

最低限の重要ポイントだけをスライドに書いておいて、残りは喋る。

そうすることで会場にいる方々は発表者に注目して話を聞いてくれます。

それから、文字の大きさにも注意してください。

スライドを作成する人は目の前のパソコンで操作するため、文字の大きさに気を使えないかもしれませんが、重要なことは会場の後ろにいる人にも見えるような配慮が必要です。

また、一つの文章に対して1行より多くの行を使わないこと、つまり1行(箇条書き)で終わらせることにも注意してください。

スライドのデザインはシンプルisベスト

まずはこちらのスライドをご覧ください。

あくまでも例ですが、こんな感じで意味のないデザインを使用したスライドを見たことはないですか?

WindowsのPowerPointには多彩なデザインが標準装備されていますが、文字の色や背景の色などの微調整や色彩コーディネーター並みの感覚が必要になることがあります。

学会発表のようなフォーマルなプレゼンには、極めてシンプルなスライドがベストです。

つまり背景は何の装飾もない「ホワイト」が見やすいためベストです。

ポインターやアニメーションは不要

赤い光のポインターを使用する人って多いですよね。

正直あれ、目がチカチカしますし、スライドを見る際に邪魔になります。

学会発表では不要でしょう。

また、アニメーションを多用する人も多いですが、あれも不要です。

学会発表は商品を売る場ではありませんので、アニメーション効果は逆に気を散らせてしまう可能性があります。

PowerPointには多くのアニメーション効果が標準装備されているため使いたくなるのですが、学会の場では不要です。

どうしても使うのであれば、効果の種類は1種類、1枚のスライドにつき1箇所のみにしましょう。

人を惹きつけるプレゼンのコツ

次に喋るコツをお伝えします。

まずこちらの動画をご覧ください。

知る人ぞ知るスティーブ・ジョブズの伝説に残るプレゼンです。

インターネットでプレゼンと検索するとスティーブ・ジョブズさんの話術に関する記事をたくさん見ることができます。

それだけプレゼン界(そんな界ある?)では非常に有名な方です。

スティーブ・ジョブズさんは、プレゼンには非常に気を遣う方らしく、例えば5分の持ち時間のために丸3日間かけて練習するそうです。

注目して欲しいのは、ジョブズさんの目線。

一切、手元を見ていません。

救急救命士の方が発表する機会をよく拝見するのですが、ほとんどの方が手元にある原稿を読んでいるような印象です。

正直、原稿を読むだけであれば演題に立って発表する労力が勿体無いです。

原稿は大事です。

忘れた時のために手元に準備しておく必要もあるかもしれませんん。

しかし発表の際に、「なお」や「また」のような「文書言葉」を口に出して使うことはおすすめしません。

会場にいる方々は「生」の発表を聴きに来ています。

ですので、原稿を用意した後は、それを基にプレゼンの練習をしておきましょう。

原稿通りに読み上げる必要なんてありません。

そうすれば会場にいる方は集中して発表者の演題を聞いてくれるはずです。

そして時間管理上の意味でも原稿を読み上げることはおすすめしません。

学会発表での1人あたりの持ち時間は平均して5分ほどです。

原稿をそのまま読み上げる方法の場合、持ち時間が少なくなった時に応用が利かなくなる可能性があります。

つまり、「最初から最後まで読み上げないといけない」という心理が働いてしまい結果的に時間をオーバーしてしまうのです。

時間管理は学会全体のスムーズな進行のためには必須ですし座長はヒヤヒヤです。

ですので、原稿は準備した上で、応用が利くような練習を心がけましょう。

Take Home Message

いかがだったでしょうか。

具体的なスライド作成方法はネットで検索すれば見ることができますが、大事なことは会場にいる方々に「伝える」ことであり「見せる」ことではありません。

ぜひ色々な学会に参加していただきプレゼン技術を磨いてみてください!

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Q二郎

Paramedicをこよなく愛するQ二郎 テキストだけでは習得し難いノウハウ伝授が趣味 live in Japan