外傷がないのに意識障害!?

外傷といえば!

様々な勉強会や研修会が全国各地で開催されており救急救命士の皆様にとっては馴染み深いですよね!

「乗用車2台の交通事故 うち1名は意識障害」

こんな通報内容でアドレナリンがMAXになればそれはもう立派な救急大好き人間(笑)です!

今回のテーマはこのブログでお馴染みのアレ。

そうです!

「裏の裏」について考えて行きましょう!

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今回の架空症例

季節はもう春。
花粉による鼻水と戦いながら仮眠室に入った深夜1時。
そこに交通事故との出動指令が入った。
車2台の交通事故で1名が意識障害の模様とのこと。
救急救命士は出動命令が下された現場をイメージしながら考えていた。
「何でこんな細い道で事故を起こすのだろうか」
「意識障害?かなりのスピードか。ほぼ頭部外傷で間違いないな」到着すると事故の当事者らしき男性が立っていた。
「信号待ちしていたら後ろから追突されちゃって」
救急救命士は運転席に座ったままの男性に頭部保持と同時にアプローチした。
「救急隊です。分かりますか?」
男性の反応はない。
すぐさま初期評価を実施した。
気道は開通しており呼吸は速くも遅くもない。
脈拍もしっかりと触知でき冷感はない。
出血も見当たらない。

意識レベルはJCSで100のようだ。
すると別の隊員から報告があった。
「あちらの男性が信号待ちしていたら後ろから追突されたようだ。車の損傷や凹みはほとんどなく、スピードもほとんど出ていなかったようで、コツんと当たったくらいの事故らしい」
「え?!それなのに意識レベルが悪い。。」その後の全身観察やバイタルサインの測定でも特に所見はなかったが、救命救急センターへの搬送を開始した。

フロントガラスがクモの巣状に割れていて、頭部に挫創があって意識障害。

これなら頭部外傷による意識障害が濃厚ですよね!

さぁこの患者さん。

一体何が起こったのでしょうか?

やっぱり状況評価は大事

今回の架空症例での最大のヒント。

事故車両に損傷がほとんどないこと。

そして事故の相手による事故当時の状況。

それなのに意識レベルはJCS100。

これだけの情報があればもう分かりますよね。

そうです。

この患者さんは、外傷によって意識障害を起こしている可能性は低く、何かしらの疾病によって意識障害を発症したことで前方に停車していた車に当たってしまいました。

POINT
・適切な状況評価を実施しよう!
・事故前に発症した疾病の可能性も考慮!



事故前の疾病ね。で、次は!?

問題はここからです。

高リスク受傷機転による外傷であれば搬送すべき医療機関は限られます。

では今回の架空症例のように事故自体は大したことはなく意識障害が強い場合は?

つまり疾病の可能性が高い場合は救急救命士による可能な限りの原因検索や観察が重要です。

はい、これ大事です。超重要です。

ドォーん。

研修医当直御法度 第6版 ピットフォールとエッセンシャルズを参考にしています。

この本。心の底からオススメです。

日本中の研修医Drの愛読書ですが救急救命士も必携です!

成書に載っていない救急現場向けの内容が豊富で感動しますから!

今回の症例のように、事故前に何かしらの疾病を発症している可能性がある場合は、図にあるようなSを検索しましょう!

飲酒や居眠りは疾病ではないですが原因の1つとしては大事です。

POINT

外傷がないのにおかしい?→Sをチェック!

架空症例の患者さん。

病院に到着して測定された血糖値はLowでした!

実は助手席にあった鞄の中にはインスリンがあったみたいです。

ホント状況評価って大事です。

Take Home Message

・外傷だけなら外傷への対応を!
・外傷&(or)疾病なら両方への対応を!
・事故前の疾病にはSを検索!
今回の参考書籍

Q二郎

Paramedicをこよなく愛するQ二郎 テキストだけでは習得し難いノウハウ伝授が趣味 live in Japan

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