心外閉塞・拘束性ショック!救急救命士に必要な知識

好評いただいているショックシリーズ!

これまでは、循環血液量減少性ショックとアナフィラキシーショックについて連載しました。

今回の第5弾は「心外閉塞・拘束性ショック」についての内容です!

スポンサーリンク

心外閉塞拘束性ショック!閉塞性?

ワタクシ、Q二郎はじめ、以前から救急マニア(おっと失礼)だった方は、おそらく「閉塞性ショック」という言葉の方が馴染みがあるかもしれません。

何が違うのか?

安心してください!(古いかなw)

病態の機序も原因も同じです。

日本語での表現が変更されただけのようです。

英語では、今も昔も「Obstructive Shock」と表現します。

Obstructiveを辞書で訳すと、「妨害的な」や「進行の妨げに〜」となります。

これをイメージしておけば今回の心外閉塞・拘束性ショックの病態がイメージできますね。

つまり心外閉塞・拘束性ショックは、何かしらの原因によって心臓への静脈還流が低下することにより全身への血液拍出量が減少することが病態です。

まずは復習!
ショックの分類を判断すること!

ショックの見分け方について覚えていますか?

こちらの記事にも書いています!

ショックを理解する!循環血液量減少性ショック
循環血液量減少性ショックは救急救命士が救急現場で判断する必要があります。吐血や下血があれば判断は難しくないのですが、そうはいかないのが救急現場。救急救命士必見!循環血液量減少性ショック編です!ショックが得意になるかも!

まずは患者さんに対する生理学的評価でショックと判断したら分類を見極めるんでしたよね!

今回は、皮膚が冷たく頸静脈が怒張するタイプについて書いていきます。

心外閉塞拘束性ショックはこれ!

生理学的評価によって、皮膚が冷たいショックと判断したとします。

次に頸静脈怒張が認められた場合は、このショックを念頭に観察と最低限の問診を行います。

しかし、このショックの原因となる病態が頭の中になければ観察も問診も行えませんよね。

そこで、今回はこれをマスターしてください!

どのテキストを見ても上の3つは書いています。

そして、緊張性気胸や心タンポナーデは外傷で取り上げられることが多いです。

このブログでは基本的に外傷はあまり扱わないので詳細は成書を参照していただきたいのですが、疾病が原因で緊張性気胸や心タンポナーデを起こすことがあります。

内因性の心タンポナーデ

救急現場で心タンポナーデを見極めることはとっても困難ですので1つだけ。

それは、大動脈解離を疑った場合は、心タンポナーデも疑ってアセスメントしてください。

と言ってもやはり困難ですね。

いや、それでも疑ってアセスメントすることは重要です。

内因性の緊張性気胸

緊張性気胸も外傷で取り上げらることが多いです。むしろ一番取り上げられるかもしれません。これも疾病が原因で発症することがあるかもしれません。

それは、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患の既往がある人。

気管支喘息をイメージしてください。

息を吐くのが苦しいですよね。

つまり、胸腔内圧が著しく上昇することで気胸を発症することがあります。

呼気時喘鳴(Wheeze)だけでなく、呼吸音の左右差、胸痛の有無、皮下気腫の有無を確認してください。

肺血栓塞栓症

これは一般の方であれば「エコノミークラス症候群」で有名ですね。

災害後でも車中泊等によって発症することが知られていますね。

以下の図は肺血栓塞栓症の復習です。

救急救命士であれば肺血栓塞栓症の病態はOKですね。

テキスト的には胸痛や呼吸困難を訴える方が多いかもしれません。

しかし、全身への拍出量が減少することで脳血流が減少し意識消失やめまい感を訴えてくる患者さんもいるかもしれません。

PEの8〜35%は失神を呈し、失神を起こすほどのPEはかなりでかいものであることが多く、生命を脅かすと考えないといけない。

出典元:Step Beyond Resident4救急で出会う疾患編Part2
著 者:林寛之

※PE:肺血栓塞栓症

発症しやすい人、つまりリスクがあるのはどんな人でしょうか?

これも覚えておくとアセスメントに有用です。

「成田空港や関西国際空港で国際線に乗っていた乗客が胸痛」

こんな状況であれば容易に肺血栓塞栓症を疑えますよね。

では、妊娠可能女性が同じ症状だったら?

内服薬を詳細に問診できるかもしれませんよね。

肺血栓塞栓症については、また後日詳しく記事をアップしようと思います。



心筋梗塞は心原性ショックでしょ?ン?

そうです!

そうなんです!(何が?w)

救急現場で心筋梗塞を疑った場合は、基本的には心原性ショックとして対応します。

従って、基本的には処置拡大項目の実施対象外になり得ますね。

しかし、しかしです。

救急救命士標準テキストには記載されていないけれど大事なことがあります。

それは!

右室梗塞 

です。

これについては次回の記事で詳しく書きます!!

ご覧いただきありがとうございました!

Q二郎

Paramedicをこよなく愛するQ二郎 テキストだけでは習得し難いノウハウ伝授が趣味 live in Japan

スポンサーリンク

シェアお願いします!