ロード&ゴーだから車内収容?

ロード&ゴーという言葉が定着してもう10年くらい経つのでしょうか。

最近では、外傷のみならず内因性疾患においてもロード&ゴーが普及しています。

「急ぐぞ!」と共通認識を持つことは重要ですが、ロード&ゴーと判断し救急車内へ収容したとしてその次のアクションは?

この記事を読めば、車内収容の考え方と本来のロード&ゴーがもっと理解できるようになりますよ!

それではしばらくお付き合いください!

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今回の症例

まずは架空症例を提示します。

60歳男性 主訴は胸痛
救急現場は一般的な一軒家のようだ。
CALL ASSESSMENTによって「心筋梗塞」を第一に考えた。
救急隊が到着した際、患者さんはソファーに座位。
パッと見た感じでは冷汗があり顔面蒼白。
明らかに緊急度が高そうだ。

隊員に酸素投与を下命し初期評価を実施した。
気道は開通しており呼吸は浅く早い。
橈骨動脈の触知はとても弱く冷感が強い。
生理学的評価では緊急性は高く内因性ロード&ゴーと判断し車内収容を開始した。

ここで問題です!

車内収容して何をしますか?

バイタルサインの測定でしょ!

病院へ連絡でしょ!

確かにその通りですよね。

でももう少し考えてみましょう。

急いで車内収容する理由は?

「初期評価の結果ショック状態です!早期に車内収容します!」

こんな声を聞くケースは多いのではないでしょうか?

そもそも、なぜ車内収容を急ぐのでしょうか?

多くの方が、1を選ぶと思います!

しかし、同時に2番と3番も共感してくれるかもしれません。

早い段階で車内収容をしても実際はどうですか?



早期車内収容は結果的に時間延長?

早期車内収容の目的は、一刻も早く病院へ向けて出発することです。

おそらく全ての方が同じ理由で早期車内収容を選択する思います。

ここで2つのパターンを比較してみましょう。

パターン1

これは最もポピュラーな活動ですね。

初期評価によって緊急度が高いと判断して車内収容する。その後、バイタルサインの測定や身体観察等を行い病院へ連絡する。

あくまでも一般的なイメージなので、所要時間は予測ですが概ねこのような感じですね。

せっかく初期評価で緊急度が高いと判断したにも関わらず所要時間は8分もかかりました。

パターン2

次は理想の活動スタイルです。

冒頭の架空症例をイメージしてください。

初期評価によって緊急度が高いと判断しました。次に必要な所見はCALL ASSESSMENTによって想起した疾患、つまり心筋梗塞かどうかではないでしょうか。

CALL ASSESSMENTについてはこちら

救急現場に到着するまでに考えること
救急現場に向かうまでに頭の中で行うべき作業があります。非常に重要にもかかわらずトレーニングを受ける機会はほぼありません。その内容とは。

つまり、この段階でST変化を認めることができれば想起疾患の精度は上がります。

ショック状態ST変化

この情報さえあれば病院へ連絡できます。

この病院へ連絡するタイミングも非常に重要です!

もちろん、全ての情報が揃わないと連絡できない地域もあるかもしれませんが、今回の活動スタイルで動くことによって出発までの時間は大幅に短縮できます。

詳細な情報収集や身体観察は搬送中に行うことでアセスメントは十分にできます。

重要なことは、一刻も早く病院へ搬送すること。

そのための早期車内収容ならOKですが、明確な理由がない早期車内収容であれば活動のプランニングを精査する必要があります。



救急車内でしかできない処置は?

早期車内収容はとても重要です。

でもそれは出発までの時間を短縮させてこそです。

ここで問題です。

この中で、救急車内に移動しないと実施できない処置や観察はありますか?

強いて言えば、5の12誘導心電図くらいです。

でも機種によっては現場でも装着できますよね。

架空症例のような現場では、ST変化があるかどうかを見つけることが目的です。詳細な梗塞部位は搬送中に12誘導心電図を装着することで十分です。

つまり、然るべき資機材さえ携行していれば、救急現場であっても救急車内であっても実施できる処置や観察内容はほとんど同じです。

特別な理由がない限り、救急現場で病院への連絡を含めて実施できるということです!

Take Home Message

いかがだったでしょうか。

早期車内収容は大切ですが、本当に緊急度が高い場合は、早期車内収容プラスαを考えてみてください。

では次回もよろしくお願いします!

Q二郎

Paramedicをこよなく愛するQ二郎 テキストだけでは習得し難いノウハウ伝授が趣味 live in Japan

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