子宮輪状マッサージ?分娩後の大出血に備える

Q二郎です。

前回から周産期シリーズをお届けしています!

前回の記事はこちら!

救急現場での妊婦CPA対応
妊婦へのCPA対応を学んだことがある救命士さんって少数。しかし実際は年間に数例の症例が発生しています。妊婦CPAへの対応に迫られたとき、あなたは対応できますか?

救急救命士の方は新生児蘇生法の講習を受けている方が多い印象ですが、実は新生児蘇生法を単独で学んでも足りないんですよね。

救急現場で新生児だけに対応することってほぼ100%ないはず。

そこには必ずお母さんがいます。

そしてそのお母さん、つまり母体への対応も求められます。

ですので、新生児蘇生法と母体対応はセットで学ばなければ意味がありません。

ということで今回は母体への対応をお届けします!

正常分娩の介助方法はテキスト等で確認してくださいね!

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産後大出血は常に頭の中に

第9版救急救命士標準テキスト901ページを見ていただくと分かりますが、分娩は第1期から第3期の段階に分けられます。

そのうち、救急救命士が対応する可能性があるのは第2期と第3期です。

第2期は、いわゆる児の娩出する段階です。

正常分娩であればかかりつけ医と連絡を取りながら介助を行えばいいでしょう。

異常分娩については別の記事でUPします。

問題は第3期です。

これについては救急救命士への啓発や教育もまだまだ十分ではありませんが母体救命のためには極めて重要です。

分娩の第3期とは、児娩出から胎盤娩出終了までの段階のことで、胎盤娩出によって分娩は終了すると言われています。

重要なのは胎盤娩出後です。

胎盤娩出後の大量出血は先進国における母体死亡原因の最多疾患です。

通常、胎盤が娩出すると子宮筋層が収縮することで止血されるのですが、その収縮が不十分な場合、止血されずに大量出血を起こすことがあります。

つまり弛緩出血です。

産後大出血の70%はこの弛緩出血が原因です。

本来、救急救命士での産科救急教育の中で、弛緩出血に対する教育は十分に行われるべきなのですがまだまだ不十分なのが現状です。

子宮輪状マッサージはいつするの?

子宮輪状マッサージは国家試験にも出題されることが多いため、この言葉を知らない救命士さんはいないでしょう。

問題は「いつ実施するのか」です。

残念ながら「いつするのか」についての教育はされていないのが現状でしょう。

これを知らないと産後大出血の対応はできません。

答えは。

胎盤娩出

です。

もう一度言います。

胎盤娩出

です。

胎盤の娩出を待たずに行うと、胎盤が子宮に残ったままの「胎盤遺残」や子宮が反り返る「子宮内反」を引き起こす可能性があるため、子宮輪状マッサージは必ず「胎盤娩出後」に実施します。

流れとしては。

胎児娩出・胎児観察と並行して胎盤娩出の確認・母体の腹壁観察(子宮が収縮されると硬く触れることができます)・胎盤娩出後も腹壁が硬く触れないのであれば弛緩出血として子宮輪状マッサージを開始します。

そして必ずかかりつけ医やMCと密な連絡を取りながら助言を得ることも重要です。

新生児対応と母体救命はセット

新生児蘇生法は本当に重要です。

ですが、新生児がいる現場には必ず母体もあります。

救命士さんが対応する救急現場では、正常分娩もしくは既に産まれていることが多いかもしれませんが、出産は危険と隣り合わせです。

ドラマ「コウノドリ」を見れば見るほど母体対応の必要性を考えさせられます。

「コウノドリ」は周産期救急を学ぶためには必須のドラマです!

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最後まで読んでいただきありがとうございました!

Q二郎

Paramedicをこよなく愛するQ二郎 テキストだけでは習得し難いノウハウ伝授が趣味 live in Japan